視線入力装置雑感

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視線入力でコンピューターを使う車椅子に乗った子供のイラスト

先日のAppleが出した情報はとても期待できるもでした。

その中で、iPadで視線入力が出来るというのは、私たちの周りでも大きな話題になっています。

しかし、大きな誤解を生んでしまう可能性もありそうです。

伊藤さんがこんな記事を書いていました。

【独り言】「視線入力」の単語はひとつですが。。。 | ポランの広場|福祉情報工学と市民活動
重度障害時に関わる福祉教育分野の一部の人々は、Tobii社製の視線入力装置の超絶性能を当たり前に思いすぎ、その恩恵に鈍感になってしまっているように思えてなりません。それは、まるでプロのシェフが作った絶品のスパイスカレーとレトルトカレーを、「...

これを見て思いだしたのは、Tobii社が出したP-10のこと。

いまもこちらに製品紹介が出ていました。

視線入力式 意思伝達装置 マイトビーP10   ダブル技研株式会社
Tobii Technology社製 視線入力式 意思伝達装置 マイトビーP10をダブル技研では、取り扱っております。

これは画期的な物でした。

伊藤さんが書かれたように「作ってみた」の製品ではなく、実用的に使えるものになっていたからです。

このP-10が出たのが2008年ですが、それ以前の視線入力装置はやはり研究段階として作られていたものでした。

試しにciniiで調べるとこんな感じ。

視線入力 障害 | CiNii Research all 検索

1990年〜2008年で「視線入力 障害」で検索すると18件の研究が出ています。

これを調べていて面白かったのは、単純に視線入力で調べると「農業機械」なんてのも引っかかること。

さてその2008年に販売されたP-10を国内でも初期に購入したのは私の前に勤めていた国立特別支援教育総合研究所でした。

これを使っての研究も2010年頃から始めました。

肢体不自由児への視線入力システム適用についての検討 | CiNii Research

この研究は、「試してみた」的なものでしたが、当時光明特別支援学校にお勤めだった外山さんに協力をいただいて、こちらの研究をしました。

1D2 視線入力装置を活用した障害の重い子の指導(課題研究 特別支援教育の実践と評価1,教育情報のイノベーション~デジタル世代をどう導くか~) | CiNii Research
コレクション : 国立国会図書館デジタルコレクション > 電子書籍・電子雑誌 > 学術機関 > 学協会

いま見返してもとても良い研究をしていたと思います。

その後に、安価な視線入力装置が出ることになります。

第3回日本難病医療ネットワーク学会学術集会「ローコスト視線入力装置による意思伝達利用の有用性と課題」
第3回日本難病医療ネットワーク学会学術集会 「ローコスト視線入力装置による意思伝達利用の有用性と課題」7分間という短い講演時間でしたので、パワーポイントは使わずにこの動画のみとしました。もちろん、口頭での説明を加えての発表です。全体を通して...

これは画期的でしたね。

伊藤さんもこれにあわせてEyeMoTを作りました。

その頃に、視線入力についての研究を進めていきました。

コンピュータ入力選択プログラム
このPDF資料は、肢体不自由と知的障害を併せ有する障害の重い子どもにコンピュータ入力を選択する際の参考となる資料として作成しました。別途あるWindows用のアプリケーションと併せて使用することを想定しています。PDFの中のボタンをクリック

しかし大きな問題も出てきました。

それは、安価な視線入力装置が出たことで

どんな子どもでも視線入力装置を使えばコミュニケーションできるという思い込み

その反動としての

視線入力装置は使えないという決めつけ

です。

そこでこちらのシンポジウムを開きました。

シンポジウム「知的障害と肢体不自由のある子どもに視線入力は有効か」20201114
#視線入力#教材解説動画

これを受けて、フォローアップとしてのシンポジウムも開きました。

ツールはとても大切です。

使うべきです。

しかし、それが本当に子どものために役に立つようにするには、私たち係わる側の役割もとても大切になると感じています。

今年度から、新たな研究を立ち上げています。

これが、子どもたちの役に立つようにしていきたいと考えています。

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