芥川賞と読書バリアフリー

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昨日、芥川賞と直木賞の発表がありました。

芥川賞は受賞候補の一人として注目を浴びていた市川沙央さんでした。

芥川賞候補作「ハンチバック」作家・市川沙央さん 重度障害の当事者として描く

エラー - NHK

市川さんは上記の取材の中で「読書バリアフリー環境」という言葉を語られています。

作品の中では

―私は紙の本を憎んでいた。目が見えること、本が持てること、ページがめくれること、読書姿勢が保てること、書店へ自由に買いに行けること、――5つの健常性を満たすことを要求する読書文化のマチズモを憎んでいた。

(ハンチバックより)

と書かれています。

読書バリアフリーについては制度上以下のものがあります。

「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)

視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律について:文部科学省

視覚障害者等の読書環境の整備(読書バリアフリー)について

視覚障害者等の読書環境の整備(読書バリアフリー)について:文部科学省

しかし、この法律を知っている人がどれほどいるのでしょうか。

まだまだ、やらなければならないことがあるように思います。

たまたまですが、井上賞子さんがこちらの資料を紹介してくださいました。

子供の読書活動の推進等に関する調査研究

令和4年度 子供の読書活動の推進等に関する調査研究(電子図書館・電子書籍と子供の読書活動推進に関する実態調査)(令和5年3月)

このリーフレットの15ページ目に荒島小学校の実践が掲載されていました。

今度のマジカルトイボックスイベントできてくださるわいわい文庫の利用についてでした。

電子化されたとこにより、読める子どもたちは増えても、それを自分の力で本を探して読むのは難しいとあります。

デジタル図書は普及しても、本をちょっと読んでみたい、どんな内容なのだろうかという事は書店に行かなければ気軽できません。上記のハンチバックはそういった事からか冒頭の部分のみ公開されていました。

祝・第169回 芥川賞受賞 市川沙央『ハンチバック』冒頭8,000字特別公開 『ハンチバック』(市川 沙央) | 市川 沙央 | ためし読み
第169回芥川賞を受賞した、市川沙央さん『ハンチバック』の冒頭8000字を特別公開いたします。『ハンチバック』(市川 沙央)  『都内最大級のハプバに潜入したら港区女子と即ハ…

やはり考えなければならないのは、何がバリアになっているかだと思います。

そして、目の前に自動ドアしか無い私たちが気づかないことを気づけるような感性をもたなかればと思いました。

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コメント

  1. 柳原 範子 より:

    いつも拝見させていただき、ありがとうございます。新潟県立長岡聾学校に勤務する柳原と申します。以前も質問にお答えいただきありがとうございました。このニュースは聞き漏らすまい、見逃すまいと思って視聴しました。市川さんの「障がい者支援にもっと取り組んでほしい」というお言葉には「まだまだ取り組む余地がある」というご示唆だと思いました。他の方もおっしゃっていましたが、読書バリアフリー法の「視覚障がい者等」という言葉の「等」に他のいくつもの障がいが含まれることが読み取りづらいと思います。私がかかわっている難聴のある人たちはきこえにくさによる言葉の獲得や概念形成の困難から、読書が難しい人もいます。ある卒業生は「本に書いてある字は読めるが、意味は分からない。だから本は読まない」と言っていました。難聴は外見上は何ともなく、他の障害の合併がなければ身辺自立し、穏やかに過ごしていることが多いです。そのため「静かに困っている」ともいわれています。改めていろいろなことを思い返したニュースでした。こちらでも取り上げていただき、ありがとうございます。

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