デジタル教科書や音声教材に関するいくつかの話題

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先日、文部科学省ではデジタル教科書に関する会議が開かれたようです。

こちらに会議資料が掲載されていました。

デジタル教科書の普及促進に向けた技術的な課題に関するワーキンググループ(第4回)配布資料

デジタル教科書の普及促進に向けた技術的な課題に関するワーキンググループ(第4回)配布資料:文部科学省

この中でアクセシビリティに関する内容で以下のことが書かれていました。

<アクセシビリティに係る機能の標準化>

・特別な配慮を必要とする児童生徒のアクセシビリティやユーザビリティについて、障害のある児童生徒のための付加的な機能としての用意ではなく、そうしたニーズのある子供たちを前提にデジタル教科書を制作するというような考え方を基礎に置いていただきたい。

・画面の配色や補助機能などのアクセシビリティに関する機能は、個に応じた形で配慮できるようになるべく深い階層における標準化を図ることができると良い。

・ビューアのインターフェースの在り方について、より明確なガイドラインを作成する必要があるのではないか。(例えば、視覚障害を有する子供たちにとっては、拡大機能を使用するまでのアクセスに時間がかかる。)

・アクセシビリティ機能を全ての児童生徒にとって利用できる、特別な生徒のみということではなくてユニバーサルに使うことのできる教科書にしていく必要がある。

また、こんな事も書かれています。

<アクセシビリティに係る機能の標準化>

・特別支援の観点は、デジタル教科書の大きなメリットであり、できる限り標準化をすべき。教科書協会でもできることを考えていきたい。

この他に

<特別な配慮を必要とする児童生徒のニーズの考慮について>

・特別支援教育のニーズからすると、例えば、読み上げの区切り(一文ごとなのか、ページごとなのか)、読み上げスピード、フォント、フォントサイズの範囲や仕様について、一定の枠組みで情報公開をしていただけると、デジタル教科書を選ぶ際に特別支援教育関係者は判断がしやすい。

・現実的に、令和6年度からデジタル教科書の完璧なアクセシビリティを目指すことは難しいと理解している。しかし、その時点の個々のビューアの強みと課題を可視化する必要がある。それが将来のアク少なくともセシビリティの向上につながる。

・デジタル教科書のアクセシビリティを評価する必要があるところ、ビューアやコンテンツの評価主体、評価結果のフィードバックの方法が課題。恣意的に選ばれる特定の専門家ではなく、オープンに製品の評価を行う公的なアクセシビリティ評価委員会、ワーキンググループのようなものが必要ではないか。「必要最低限」がどこにあるのかは、今後のインクルーシブ教育の進展で大きく変わっていく。

・教科用特定図書などの製作者がデジタル教科書の内部データにアクセスできれば非常に大きな作成上の負担低減ができるので、アクセス可能に向けて、中長期的に検討していくことができるとよい。

・教科用特定図書、すなわち、点字教科書、拡大教科書、音声教材は、現在も多くのボランティア製作団体等が作成・配布している。一方で、教科用特定図書に頼らなくてもデジタル教科書がアクセシビリティを担保できるのではないかと特別支援教育関係者間において期待されている。教科用特定図書と、デジタル教科書の棲み分けも前向きに検討する必要がある。

 

このワーキンググループには東大先端研の近藤さんが入っていますので、的確な指摘がされていると思いますし、とても期待するところです。

さて、この近藤さんが関わっておられる東大先端研のAccessreadingに上記の「音声教材」に関するまとめサイトが登場しました。

音声教材情報提供サイト

音声教材を知ろう!

前に書いたように文部科学省が指定した音声教材を提供するのは6団体あります。

こちらの文科省のページにも、それぞれの団体の紹介はしていますが

音声教材:文部科学省

比較して見比べてくれるのでたいへん参考になります。

こういった情報はありがたいですね。

しかし、それぞれの団体も新しい年度に向けて動き出しているようで、広島大学はこのページでは

「e-Pat」と書いていますが、名前を変えたようです。

2022年4月1日「UD-Book」始動!「e-Pat」から「UD-book」へ規格が変わります!

UD-Bookホームページ(UD-Book教科書サイト内/UD-Book textbook site)
広島大学 氏間和仁研究室が提供している,文字・画像付き音声教材に関する情報をお届けするホームページサイトです。

ですので、こちらを参考にしつつも、それぞれの提供団体がどのようなことができるかは,直接見に行った方がいいでしょうね。

最後になりますが、ベネッセがデジタル教科書についての解説サイトを公開しています。

新学期からの英語の授業はデジタル教科書? 紙の教科書との違いは?

ベネッセ教育情報 | みつかる、明日のまなび。
「ベネッセ教育情報」では、社内に多数在籍する教育の専門家の知見や、長く教育分野に関わってきた経験をもとに、教育に関心を持つすべてのかたに向けて、正確かつわかりやすい教育情報をお伝えいたします。

ここでは、今後のデジタル教科書のロードマップが示されていました。

英語が先行し2024年には各教科のデジタル教科書が出される方向性です。

そのような状況の中で標準化の検討は急務でしょうね。

 

なお、このデジタル教科書と音声教材はに似た面がありますが、それぞれ役割が違います。

デジタル教科書はすべての子どもが使うことを前提としていますが、音声教材は発達障害等により、通常の検定教科書では一般的に使用される文字や図形等を認識することが困難な児童生徒に向けた教材になります。上記のAccessreadingのFAQには詳しく解説がされていますので、利用にあたってはよく確認してから申請してください。

 

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